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自律型BEVの普及はかなり先になる件。

レベル3はAIじゃない

AppleがBEVの開発をしているとかなり前から話は出ていたけれど、それが具体的に動き出したらしい。
Apple Carは完全自律型で、運転手なしでも機能するようデザインされており、特にラストマイル配送に焦点が当てられた運送用のシステムとして、もしくはロボットタクシーとして利用される可能性がある


iPhone Maniaより

読み取れるのはシリコンバレーの頭のいい人を集めてもそのレベルが今は限度、というところ。
カメラ、赤外線、ミリ波レーダーときて、LiDARを用いても宅配のラストマイル輸送という、それぞれの個体が決められたルートを毎日走るという前提でなければ、色々な問題が発生するだろうということ。
まずはラストワンマイルで実証実験を重ねて、さあ本番というところかな。


現状の自動運転はAIが担っている、と思いがちだけど、レベル3まではセンサーからのフィードバックを得てコンピュータが決められた判断をしているに過ぎない。
例えば高速道路で車両を追い越そうと思ったら、ターンシグナル点灯をトリガーとして「1. 追い越し車線後方確認」「2. 加速」「3. 追い越し車線へ移動」「4. 追い越し」「5. 走行車線確認」「6. 走行車線へ移動」「7. 加速終わり」のプロセスを踏むだけ。
それぞれのフェイズで問題があれば、それぞれに対応した危険回避策が取られる。

単純に言っているけれど、これを実現するには高度なセンサーと瞬時の分岐(判断)が必要。
とは言え、システムが間違いを犯さないとも限らないからドライバーに責任が及ぶ。ことCOCOAのお粗末を考えるなら、日の丸プログラムを使うのは危険だと思う。

ここを脱却したのがAppleのBEVで、それらセンサーを用いつつ、完全自律型=自分で考えて自分で運転するのだから、AIが入っていないわけがない。
少なくともお粗末な運転をする輩が多い昨今、完全自立型のBEVが普及すれば、くだらない渋滞や鈍臭い運転などなくなるだろう。

ついでに言わせていただくと、お粗末だったり鈍臭い運転をするのがここ10年で急激に増えたのは、自動車学校が食い扶持を稼ぎたいから。
若い人が減ると自動的に免許を取る人も減るわけで、そこをどう帳尻合わせるかというと、運転適性のない人に免許を与えて合わせてる。学科や仮免を3回も4回も落ちてる時点で適正なぞない。

そんなのが公道走っているから本当、鈍臭いのが多い。緊急車両来てるのに平然と交差点横切るとか、無灯火で夜走ってるとか、運転する以前の問題だ。
そういう手合いは大体スピード出さないのが安全運転だと思ってるから質が悪い。違う、全方向周りを良く見ているか否かが安全運転のターニングポイントだ。加えて自分の運転・乗っている車の性能を過信しないことが大切。

あとな、自動車メーカーがいらん機能つけてるのがそれに拍車かけてる。「ブレーキから足を離しても車は止まったまま」とか宗一郎さんが草葉の陰で泣いてるわ。そもそも軽にアラウンドビューモニターつけてる時点で「私は車幅感覚すらない下手です」とアピールしてるようなもの。
そういう装備をつけなきゃ運転できないのが公道走り回ってる。いい加減勘弁してくれ。

車の運転に限らず、低きに合わせると全てが低くなる。これ今の日本だぞ。

自律型BEVは普及しない

AppleのBEVに期待はするけれど、果たして世界的に普及するのかと言えばかなり先のことになるだろう。少なくとも私たちが生きている間に普及するのか否かは懐疑的だ。


第一に章男氏が言うようにEV化による弊害を考えなきゃならない。
EV化、ことテスラに代表されるようなBEVへの移行の根本的な目的はカーボンニュートラルなわけだが、マツダの論文で否定されているのは周知の事実。
誰とは言わんが頭髪の薄い人あたりの、利権に群がる人たちが金儲けをしようと企んでいる以外に考えられない話の進め方だ。NIOあたりの株をがっちりホールドしてるとかね。Clubhouseの流行り方と同じ匂いがする。

そうした電力需要の伸びを支えるために化石燃料が必要になり、加えて今後の人口増加を考えると、石油採掘が減ることはなく、カーボンニュートラルなど絵に描いた餅にしかならない。

付け加えるなら、テスラは「驕れる平家も久しからず」になるだろう。eMMC屋根の問題があろうとも、CO2排出権で稼いでるから大きな顔をしているが、いずれこの低品質が致命傷になるだろう。
その上で欧米がよくやる「撒き餌戦法(最初タダだけど後から有料になるよ戦法)」はユーザーにとって受け入れがたい。そこが売りなのに、そこを排除したらメリットがない。

どこぞのメーカーみたいに素の状態は安いけど、CMでやってるような機能欲しかったらオプションモリモリにしないと実現しないぞ、という商売やってると総スカン食らう。ヤリスより燃費悪くて、フィットより値段高いって、誰が買うんだよ。日産、お前のことだぞ。技術ないのをCM使ってごまかしてるお前だぞ。

第二に航続距離が短い&充電に時間がかかる。
現状の技術では航続距離を伸ばすにはバッテリーを増やさなければならないが、バッテリーを増やすと重くなる・充電時間が増えるというジレンマを抱えている。

MX-30Honda eが話題になったけど、蓋を開けてみればがっかりだった。これはバッテリ容量と航続距離の美味しいところを突き詰めると、だいたいこれくらいの数字になるため。
要はタウンユースで使ってくださいというレベルの代物でしかない。バッテリ劣化もするしね。ここのブレイクスルーはヨタを始めとした全個体電池にかかっていると思う。

そして肝心要なのが、第三に雪国の道路事情が考慮されていない。
北国を運転していると、除雪された雪が道路わきに積み上がり、路側帯の白線やセンターラインは見えなくなる。どこを走ればよいのか、どこで止まればよいのか、人間ですら判断に迷うことが多々ある。

一時、国の主導で道路脇にアンカーを一定間隔で打ち込んで、そのアンカーをセンサーで拾えば自動運転もできるんじゃないかと考えたことあったけど、道路わきの雪を見ると無理だな。アンカー打った場所と実際に走れる場所が乖離しまくる。除雪業者もアンカー壊した時の保証で排雪を嫌がるだろう。

ただでさえ、積もった雪の隙間から車や人が顔を覗かせて出てくる、路面状況に合わせて車をコントロールする必要がある、排雪で昨日とは道路状況が変わる etc...判断が困難な状況で自律型車両が完璧に運転できるとは到底思えない。
これらの課題はすべて人のノウハウの積み重ねでクリアしている。そのノウハウをAIが得ることができれば、北国で自律型車両普及の可能性はあるが、果たしてどれくらいの時間がかかるのかというところ。

加えて、寒さでバッテリが持たないというのは全個体電池の普及を待つとして、少なくとも一時出てきたリーフのタクシーが札幌から2年そこそこで駆逐されたことは、今普及させようとするなら考えなけりゃいけないファクターだ。
記憶に新しい高速道路での雪隠詰めなぞ、現状のBEVでは目も当てられない。

他にもホワイトアウトした時にどう動くのか、白い服を着た子どもが雪の壁から出てきたら雪の塊とどう判別するのかなど、単純にカメラやミリ波、LiDARで解決できない問題は山積みだ。

# そんなの簡単にカメラで判別できるじゃんとか思うなかれ。車載機器は耐久性が求められるからスマホと同じ高性能なイメージセンサー乗っけて終わるわけにはいかない=開発・生産に金かかる。夏どんなに車内が暑くても画面表示する車載ナビが高い理由のひとつがこれ。ETC機器溶けなくてもカード溶けるから抜けというのは有名な話。

よって自律型BEVが世界的に普及するのはかなり先になる、だろう。

もうなんだったらシムシティで「渋滞発生しています!」となった時みたいに、道路を全部線路にしちゃえばいいのに。そしたら全部解決よ。

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