ClubHouseになぜ気持ち悪さを感じるのか?
急激に先週末あたりから名前が出てきたClubHouse。詳細はハフポストだから眉に唾つけるレベルの解説を読んでいただくとして、私がそこはかとなく嫌悪感を抱くのはステマであることを隠そうともしないバズり方をしているから。
今、アトロクで吉田豪氏が「mixiの黎明期のワクワク感」と仰っておられた。踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿保なら踊らにゃ損々という言葉もあるように、今このワクワクに乗らなかったら、次の祭りはいつくるのか分からないから乗っかりたいのが人情だわな。
でも、なんか、いやなんだよ。気持ち悪いんだよ、芸能人がこぞってやってますとか言い出したり、それをテレビやラジオでプロモーションしている事実が。
誰かが仕掛けて、阿呆を躍らせているに他ならないんだけど、そこに乗るのはまんまと嵌められた感が強くて嫌。そもそもSNSは合わないし。
流行に乗っとけというのも分かるけど、たぶんこういう勢いがあるものに乗れない性格は、株やFXでも同じロジックが働いているんだろうな。トレンドフォローが鉄板なのにね。
既存メディアの崩壊が進むサービス
ハフポストの記事だと「勝手に面白いラジオ番組がどんどん生まれる」と表現しているが、はてさてこういうSNSが台頭して既存メディアはどう対応していくのか。 正直、もうジリ貧待ったなしは否めない。
そもそもテレビ・ラジオの電波媒体は周知の通り広告によって成り立っている。一部、頑なにスクランブルかけない渋谷の某局もあるけれど。
企業は広告を出して(出稿して)、それをマスメディアを介してエンドユーザーに周知させるのだけれど、適当な番組に出稿したところでどの層にアプローチしているのかは分からない。
だから、F2層向けを謳った番組があって、同じくF2層向けの商品を売りたい企業があって、両者の思惑が合致すれば巨額な出稿に結びつく。
もちろん周知させるにあたっては、より多くの人に知って欲しいから視聴率という指標が持ちいられる。
# これもデジタル化した時点でどの番組がどれくらいの人に見られているか簡単に分かるのに、
# あえて視聴率調査の機械を使って調べているのはビデオリサーチの詐欺に近いけど。
視聴率が良ければ企業はその番組に出稿したがるわけだから、数字の取れる芸能人を起用するだろう。
好きな芸能人が出ていれば、オンタイムではないにしろテレビを観たいだろう。
だから芸能人は数字が取れるように、今までなかったエンドユーザーとのパイプ=SNSを駆使して自分の価値を高めている。
既存メディアしか存在しない時代は、芸能人・有名人のプライベートなど知り得る余地もなかったが、TwitterやInstagramでチラ見せすることで、その人を近くに感じられるようになる(よりファン化する)。
SNSが流行っているのは「その人に対する憧れ」と「承認欲求」が根底にあるのに他ならないのは周知の事実だが、そこをうまく利用することで、自分の価値を高めつつ広告や投げ銭などで収益が発生する。
上手いこと搾取されてるよな、エンドユーザーは。
たまに顔を出さない歌手などがいるけれど、これは「神秘性を高めて注目を集めよう」という作戦をとっているんだろう。
広瀬香美や岡本真夜が当初顔出ししなかったから売れたのと、パターン的には変わりない。
こうして高めた自分の価値を再び電波媒体へと還元できるのならばよいけれど、上手くいかないのは、F2層向けに番組を作ったところでF2層が観ている保証はひとつもないということ。
F3層が視聴率の多数を占めていたら、企業はただ単に金をドブに捨てているに等しい。GRPとかいうまやかしの数字を持ち出したりするしね。
だから、確実に企業が狙ったエンドユーザーにアプローチできる、ターゲティング広告ができるネット広告への出稿がだんだんと大きくなってきている。
ネット媒体への出稿額がTVへの出稿額を上回って久しいのだから、放っておいても電波媒体は次の手を考えていないとならない。
スタジオでセット組むのに莫大な費用がかかるから、経費浮かせるためにロケで番組作り=街ブラものが流行ったけど、コロナでそれもダメ。総集編でごまかしたところで付け焼刃に他ならないからYoutubeに後塵を拝すのは目に見えてる。
有名人とエンドユーザーの結びつき
既存メディアがダメとなれば、芸能事務所も考えるもので、今はNetflixがアツいのだそうな。キャッシュフローが桁違いということもあるが、海外配信しているから海外への足掛かりが芸能人には魅力的に映るらしい。
そのために、自分たちがキャスティングされるために、人気を得る=儲けるためにSNSを利用する。
常々私は「人と人のつながりが儲け口である」と言って来た。
Twitterは文字、Instaは写真、Youtube・TikTokは動画、ツイキャス・ShowroomはLive配信と来て、さて次は何かなと思っていたら音声(ClubHouse)だった。
動画があるのに、今さら音声? 思いつきもしなかった。
あちこちに自分を売り込むチャンネル(SNS)が存在する中で、芸能人はそれぞれのチャンネルに合わせたプロモーションをしている。
すべての芸能人がマネタイズできているわけではないだろうけど、少なくともテレビやラジオで名前を売っている人間ならば、いくばくかの収益はあろう。
前述したとおり、エンドユーザーの憧れる心を上手いこと利用してマネタイズできるとなると、もう既存電波媒体は必要なくなる。少なくとも年収が億超えしているYoutuberがゴロゴロいることを考えると、収益化に有名・無名は関係ない。
アトロクでClubHouseがすごいとかやっている時点で、ラジオ局は自分で自分の首を絞めていることに気づいた方がいい。
ClubHouseでマネタイズできてしまえば、驚くほど予算(ギャラ)の少ないラジオに出たがる芸能人などどれくらいいるのだろうか?
昨今、Youtubeで収益を上げられるからと、世話になった芸能事務所に後ろ足で砂をかけてやめる芸能人は多いが、そんなことがまかり通ったら、たぶん日本の電波媒体は死ぬ。
悔しいだろうけど、電波で流すものは予算がつかない、ごくごくつまらない内容の番組ばかりになり、TV局ラジオ局はそうしたプラットフォーマーにコンテンツを提供するようになるだろう。
なんかもう、来るところまで来ちゃったなという印象。
既存のメディアをなぞって、人との結びつきをサービス化できればそれで儲かる。
その仕組みをメディア自身が構築してくれることを願わずにはいられない。ラジオ大好きだから。
【追記】
やっぱりね。
「ユーザーのネットワークにアクセスできる第三者」は簡単に送信内容にアクセスできて、「同じチャンネルに入っているかどうかを見れば、ユーザー同士がしゃべっているかどうかもわかる」ほか、発言主のIDとプロフィールの照合も可能。ぜんぜん「ここだけの話」じゃないってことですね。ほかにもいろんなセキュリティの脆弱性が見つかったけど、そっちはもっと危険なので「Clubhouse社に直接連絡した。解決されるか修正期限になり次第、公表する」
Clubhouseブームを仕掛けたのは五毛党で確定。
これをメディアで「すごいからみんなやりなよ!」とか言ってた芸能人は、中共とつながりがあるということでよろしいでしょうかね。
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